私は、某コーヒー店でパートをしている。
今日の仕事は、週一のグリーストラップ(グリスト)
掃除。つまり厨房の排水溝掃除だ。
コロナの影響で、普段三人体制で仕事をしているのだが、
人件費削減の為、今日は二人体制で仕事をしていた。
一人が、グリストに入ってしまうと、
レジ・接客・ドリンク作りまで全て一人でこなさなければ
いけなくなるので、とても大変。
その事を考えると、仕事仲間の為にも早く終わらせようと、
汗だくになりながら、グリストに取り組んでいた。
そこへ、一本の電話がかかって来た。
内心、忙しいのにタイミング悪いな〜と思いながらも、
慌ててゴム手袋を外して電話に出た。
『某コヒーのお客様相談室の〜ですが、
お疲れ様です。』
「お疲れ様です。」
やばい・・・。何かしでかしたか?ビビリな私は、
この時点でもう恐縮。
『先ほど、お客様からお電話があり、
クレームというか・・・。
申しわけにくいのですが、女性店員の
汗の匂いが気になると指摘がございまして・・・。』
「え?今の話ですか??」
『はい、先程お電話頂きまして』
てか、今二人しかいないから、私か、もう一人??
もう一人の子若いし臭くないし・・・。
「私かもしれません・・・。」
チーンとしながらも、脇の臭いチェック。
別に、臭くないしな〜。とか思いつつ。
『そうですか。今の時期ですから、お客様もマスクなど
しているとは、思いますが一度チェックしていただきたいのですが。」
「は〜。」
力なく受け答えする私・・・。
『普段はどの様に臭いのチェックしておられますか?』
っうもんだから、手あげて脇嗅ぎながら、
「腕上げて、脇に鼻近づけて嗅いでます。」
って答えた。したら
『左様ですか、本社の女性社員とも相談したのですが、
今、お時間大丈夫でしょうか??』
やけに、お店の様子を気にしてくださってる。
『周り大丈夫ですか?ちょっと見た目がアレなので
お客様などの目につかないところでお願いいたします。』
と言われ、普通に
「事務所内なので大丈夫です。はい。」
と答えた。
『では、本社の女性社員との話し合いの中で、臭いのチェック
の一番いい方法として、今手袋などしていたら外していただいて
(普段手が荒れない様に手袋してる子が多い)
今受話器はどちらの手でお持ちですか?』
「左手です。」
『では、右手をグーにして頂いて、手の甲を直接
脇の下に良く押し付けて、匂いを嗅いで下さい』
言われるがままに、グーにした手を脇の下に入れて、
臭いを嗅いだ。(めっちゃ汗ばんでて、手がベショベショ)
「臭くないです。」
『では、反対側もお願いします。』
反対側も、脇にグー押し付けて臭いを嗅いだ。
「いや、臭くないです。」
『そうですか〜。うちの女性社員も言っておりましたが、
最初は、制汗スプレーや汗拭きシートの匂いで
誤魔化されて臭いを感じないと言う意見が
多く出てまして少し時間を置いてからもう一度
お願いいたします。』
と言われ、いい加減しつこいので、
「臭くないので、大丈夫です。」
って言ったら、
『では、もう一人の方にもお電話変わって
頂く事は可能ですか?』
っていうから、もう一人の子呼んできて、
電話を変わってもらった。
その間、お客さんが沢山来て、行列が出来初めて
しまったもんだから、一人じゃ無理だと思い、
電話中の子に助けを求めに行って、
電話代わってもらって、
「お店が、忙しくなったので、電話切らさせて
いただきます。」
って言ったら、凄い速さでブチって電話切られた。
お店が落ち着いてから、その子に電話で何を
聞かれたか聞いてみた。
なんと!脇の臭いチェックだけではなく、
下着は何を着けているのか聞かれて、
困ってたらしい・・・。
アホな私は、やっとここで気付きました。
やられた〜
そもそも、女性のナイーブな事を男性社員が
電話して来る時点でおかしいと・・・。
完全に、お客様相談室の方だと思い込んでいた
間抜けな私・・・。
着信履歴見たら、非通知だし・・・。
忙しく電話に出たからそこすら確認しなかった。
まさか、脇フェチの変態にまんまと引っ掛かり、
仕事中に一生懸命自分の脇の匂いを嗅いでいたと
思うと。なんと間抜けでしょう!
腹も立つけど、自分の馬鹿さ加減に
笑いさえこみ上げて来ました。
私なんか、おばさんだから笑って済ませるけど、
その若い子にかわいそうな事してしまった。
しかも、相手は何処の店かも把握してるし、
もしかしたら顔まで知ってるかもしれない。
そう考えると、笑って済ませるレベルの問題じゃ
ないよね。
マネージャーに報告して、直ぐにお客様
相談室(本物の)に連絡してくれて、確認してくれた。
勿論そんな電話はしてないし、そんなクレームもない。
念のため会社の上の人にも報告してもらった。
某コーヒー店。夜は、男の店員が一人だけいるけど、
昼間は女性店員で回してる。
若くて、可愛い子が多いし、年上の私が(おばさん)
守ってあげないとって、本当に反省しました。
おしまい。
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