猫の話4。

動物

こんにちはkotohaです。飼い猫マリの話も4話目になりました。長々と読んでいただいてありがとうございます。

ある日マリが、居間でお粗相をした。初めての事でびっくりしたけど、もう19歳。歳のせいだと思った。

子供達も居る居間でのお粗相。マリに言っても分かるはずがない。衛生的にも考えて、オムツをする事にした。お店に猫のオムツってものが無くって、小型犬用の一番小さいSサイズのオムツを買って来た。オムツをつけるのをマリは嫌がったけど、家中でお粗相をされても困る。少しの間オムツで過ごしていたけど、嫌がって、取ってしまう。何度かそれを繰り返した。付けては取るの繰り返し・・・。

こんな事をしていては、オムツをしている意味がない。色々考えて、マリには可哀想だけどトイレのある部屋に閉じ込める事にした。家のキッチンの隣には、裏外に出る扉付きの3畳ぐらいの食品庫がある。マリのトイレと、餌はそこに置いてあったんだけど、そのままその部屋にマリを入れて、出れないようにした。広さ的には十分だし、その中では自由に過ごせるし、いい案だと思ったけど・・・。

普段、家の中で自由に過ごしていたマリは、寂しがって一日中鳴いた。たまに外に出してあげたり、しょっちゅう覗いて構ってあげてもダメだった。特に夜は淋しいのか夜中じゅう鳴くもんだから、近所に迷惑じゃないかって、こっちも気が気じゃない。それでも、慣れてくれれば夜鳴きも治るんじゃないかって思って何日か様子を見て見たけれど、やっぱりダメだった。

そんな生活を、1ヶ月ぐらい続けたけど、毎日鳴いているマリの事を考えて、居間に猫用のゲージを買って来て置く事にした。そのゲージは二階建てで、下にトイレと水と餌を置き、上に猫用のフカフカのクッションを置いてあげた。

ゲージの中で、マリは皆んなの姿が見れるからか、寂しがって鳴く事はなくなった。ただ、マリはそれからいっきに年老いた。

今思うと、ゲージに入れた事がマリにとって良かったのか悪かったのか私には分からない。運動量が減ったからなのか、マリはゲージの二階に登れなくなった。ゲージから出して、外で遊ばせてあげようと思っても、自力で歩くことすらままならない。フラフラと立っては転んでしまう状態。

餌も全然食べられなくなってしまった。カリカリの餌から、柔らかい缶の餌に変えても、食べてくれない。しまいには、チューブの餌を買って来て、口に運んでどうにか食べさせていた。水も口に運んであげて飲ませた。

そのうちマリは、トイレの中から出なくなった。トイレの横にクッションを置いてあげて、何度もクッションに移してあげても、トイレの中に移動してしまう・・・。きっと最後の最後まで、トイレの躾が出来ていたんだろう。そう思うと、悲しくなるけどとっても良い子だ。

マリをゲージに移してから、何度トイレを片付けても臭いがひどいし、マリ自体も臭かった。弱ってるマリをお風呂に入れる訳にもいかず・・・。旦那さんにも、子供達にも文句を言われた。だからって、私が出来ることは全部してる。でもどうにもならない。家族に迷惑をかけて、ストレスを感じさせて申し訳ないと思ったけど、マリを最後まで看取ってあげたい。あーこれが、動物の介護なんだなって。動物を飼うのってこうゆう事なんだなって、改めて実感した。

マリは、目やにが酷くて、目も開けられなくなっていた。何度も顔を拭いて目やにをとってあげても、すぐに目が開けられなくなってしまう程目やにが出てくる。もう餌も水も飲まない。トイレの中で、クタ〜っとしているだけ。もう先が短いのは分かった。死んでしまうという事も、私の中で覚悟が出来ていたし、子供達もその事を理解していた。

最後は、息をしているかの確認。死んじゃったかな〜って、マリを呼ぶ。呼ぶたびにマリは最後の力を振り絞る様に、首を少しこっちに傾ける。それを見て、生きてるねって、確認して安心する。でもマリを呼ぶのすら、可愛そうだった。それを2日くらい繰り返した。

最後の日、夜寝ていたら枕元にマリが来た。実際に来たわけでは無い。もちろん霊感なんて0感。でもマリが来たのが分かった。そんで、私の胸の中に入って来た。なんて説明したらいいか分からないんだけど、グ〜って胸の中にマリが入って胸が苦しくなって、痛くなった。その後胸の中が暖かくなった。

マリが死んだ事が分かった。

朝起きて、旦那さんに

マリ死んじゃったよ。

って言われて、

うん。知ってる。

って言ったらビックリされた。

冷たくなって、固くなったマリに「よく頑張ったね」って声をかけた。もう動かない。生きてた時はあんなにフワフワ柔らかくって、暖かかったのに・・・。

直ぐに、スマホで猫が死んでしまったらどうするか調べて、動物を火葬してくれる所に電話した。段ボールに入れて持ってきて下さいと言われた。

職場に遅刻する事を伝え、マリを段ボールに入れて車の助手席に乗せ、子供を保育園に連れて行き、火葬場に向かう途中。涙が溢れ出して止まらなくなった。子供の手前気丈にしてたのかな。一人になった途端に涙が出はじめた。

19年。ずっと一緒に過ごしてきた。マリがいる事が当たり前の生活だった。後1年で猫又になる筈だったのに。なんてね。(猫の妖怪=猫が20歳になると喋る様になると言う話)

マリは、幸せだったのかな〜って今でも思う。もっともっと可愛がってあげれば良かったなって。最後の時も、もっと抱っこしてあげとけば良かったなって・・・。自分を責めたけど。旦那さんに、

飼い主とずっと居られただけで幸せだろう

って言われて、そう思うようにした。

実家のはなは、結局飼い主に看取られる事なく死んじゃったし。トラもそうだった。3匹の中でマリは一番幸せだよって旦那さんに言われて、なんとなく気持ちが軽くなった。比べるもんじゃないけどね。

私は、マリに何をしてあげれたんだろう。私は、マリがいる事で毎日癒やされていた。それだけで、幸せだったから。

もう、家では動物を飼うことはないだろう。旦那さんは絶対飼いたくないって言うし。最後の時の臭いが本当に嫌だったらしい。私は、マリじゃなくっちゃ嫌だ。猫も犬も大好きだけど、もう悲しい思いをしたくない。

何処かで、猫の供養はまた別の猫を飼うことだって書いてあったけど・・・。もう飼いたいって思わなくなった。まだ、心の傷が癒えてないのかもしれないけど・・・。もし、動物が生まれ変われるとしたら、またマリに逢えるのかな〜。そしたら、直ぐに家に迎え入れるのに。     おしまい。

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