父との切ない水槽の思い出。

くだらない話

昨日は、夕立が凄かった。暑いから、気持ちいいぐらい雨が降っていて、三男と

涼しくなって気持ちいいね〜

なんて話してるうちに、殴り付けるような雨になり、階段と二階の部屋の窓が開いているのを思い出し、慌てて閉めに行ったけど・・・・。既に遅し・・・。

階段水浸し、私のベッドはビショビショでした・・・。

なんだか毎年同じことを繰り返しているんですが、またそんな季節になったのか〜。とつくづく思いました。

今日は、家の父の話を書いていきたいと思います。

家の父は、私が中学2年生の時に、家を出て行きました。母と気が合わず、離婚問題は昔から色々とあったみたいですが、何回目かの離婚の話が出た時に、家を出ていきました。

父は、三兄弟の三男。母は、三姉妹の長女。昔の事だから、跡取りをもらわなければいけないと言う事で、養子縁組と言う形で、お見合い結婚したそうです。

そんな形で父は、婿養子になりました。娘の私からみれば、普通にいい父でした。子供達の事良くやってたと思う。

母は、私が小学校に上がる頃から、夜のスナックの仕事を始めました。私からみれば箱入り娘な母。何故急に夜の仕事を始めたかと言うと・・・。父が、母に相談もせずに、スナックのお店を買って、母の知らない女にお店を任せていたみたい。きっとそこで色々といざこざがあったんだろうけれど、母にそのことがバレて、母がお店をやる事にした。女の意地だと思うけど、子供が4人いて、まだ小1、小2、小4、小6という手の掛かる年齢なのに無謀な挑戦だったと思う。結局母は約10年間スナックの仕事を続けたけど。

夕方から夜中の2時頃まで母がいない。朝は、母は起きて来ない。学校から帰ってくると、母は忙しくスナックの用意。殆ど母と過ごす時間が無かった。だから父といる時間の方が多かった。姉や兄もいたけど。そんなんで、小学校の時は、寂しい思いを沢山した。母は、仕事で忙しいし、自分中心で動く人だから子供の事は御構い無し、父は男だから、母親代わりのことを全部できるはずも無く、まだ1年生の私は、自分の事は自分でやらなければいけない。1年生の時の担任の先生に

kotohaさんは一人でも生きていける。

って言われたぐらい。そんな訳ないじゃん。小1だぜぇ〜。

朝ごはんは、菓子パンが置いてあるだけだし、無い時もしょっちゅうあった。だからって、朝から朝飯作ったりなんか出来ない。父は早くから仕事をしていたし。給食の時間までお腹がもたなくて、具合悪くなって保健室に行ったりしてた。忘れ物なんて日常茶飯事。よく先生に怒られてた。同じ服を何日か着て行ったこともあるし、今思えば軽い育児放棄だよね。親は忙しくて構ってられなかったんだろうけど。

母親になって思うけど、小学1年生なんて、一人じゃ何にもできないもん。我ながらよくやってきたと思う。言い始めればきりが無いけど、この話は、また機会があれば書いてみたいと思います。

んで、父の話。父は、生き物が大好きだった。昔から、犬も飼ってたし、猫も飼ってた。犬も猫も父にすごく慣れていて、そして躾の仕方もうまくて、犬も猫もとてもお利口さんだった。

そんな父が、自営をしているお店の中で、熱帯魚を飼い始めた。1メートルぐらいのでっかい水槽を買ってきて、その中に、色々な種類の熱帯魚を入れて。

小さかった私から観ると、小さい海の中にいるようで、それが楽しくて綺麗で、毎日水槽を眺めていた。

父の日には、おこずかいを叩いて、体が透き通って見える、気持ちの悪い熱帯魚をプレゼントしたっけ。何でその魚をチョイスしたのか、その頃はその透き通ってる魚に魅力を感じたんだろうな〜。父は、とても喜んでくれた。

グッピーも沢山居たんだけど、飼育が上手な父は、グッピーの卵を、他の魚達に食べられてしまわないように囲いを作ったりして、卵を孵していた。卵から産まれた赤ちゃんグッピーが育っていくのを間近で観察出来るなんて、とてもいい経験をしたと思う。よく一緒に水槽の掃除も手伝ってたな〜。

そんな、素敵な小さな海の中の世界。寒いある日の夜。家が停電になった。

次の日に、お店に行ってみると、水槽の中の魚達全滅・・・。夜中の停電のせいでヒーターが切れたままになっていた。お魚さん・・・。凍死ですね。その光景を見た時凄いショックだったけど、父は、もっともっとショックだったんだろうなぁ〜。あんなに手塩に掛けて育てて来たのに・・・。死んだ魚達を片付けていた父の背中が忘れられない・・・。

でも父も立ち直り、あの小さな海の中を、修復し始めた。コツコツと熱帯魚を買ってきては、水槽に移し、グッピーも増えてきた。また元通りになった小さな海の中・・・。ある日、お店に行ってみると。ヒータが壊れてしまったのか、原因は忘れてしまったけれど、水槽の水が温かいお湯になっていた・・・。お魚さん達プカプカ水面に浮いていた・・・。さぞかし熱かったんだろうな〜。可哀想に・・・。

さすがの父も、もう心が折れてしまったみたい。修復する事もなく、空になったでかい水槽が、お店の外に置かれていた。その空の水槽を見る度に胸が痛かったけど。父が離婚してから、誰かが水槽をもらって行った。今も何処かであの素敵な小さな海の世界が作られていればいいな〜。

父とのちょっと切ない思い出です。         おしまい。

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