出産とは何か。
出産・・・。
それは、
やっと赤ちゃんに会える
という祝福の喜びの前に、
母ならば必ず味あわなければいけない試練。
しかも、痛みと苦しみが漏れなく付いてくる。
なんて酷い仕打ちなのかしら。
と本気で思う。
予定日より二日前の午前2時。
来ましたあれが。
そう陣痛です。
最初は陣痛なのか、
只の腹痛なのか分かりませんでした。
なんかちょとお腹が痛いなぐらい。
夜中だし、とりあえず様子見で病院が始まる時間(9時)
まで待つことにしました。
まだ我慢できるぐらいの痛さ。
寝て朝が来るのを待つことにしました。
でも朝方になってくると、
ちょっと我慢出来ないぐらいの痛さになり、
9時近くになった時には、
陣痛の間隔が30分おきぐらいになってました。
9時になって病院に電話すると、直ぐに
『病院に来て下さい。』
との事で、旦那さんと病院に向かいました。
病院に着いて、直ぐに受診して、
『子宮口が5センチ開いてるからお昼ごろには産まれてると思いますよ。』
って先生が言ったのを覚えてます。
車椅子に載せられ、
陣痛室に運ばれました。
それからが、本当の地獄でしたね。
『昼に産まれるなら後、3時間後ぐらいだな。』
なんて旦那さん言ってて、
その間私のお腹には赤ちゃんの心音と陣痛の強さを知る器具みたいなのを巻かれ、
部屋のBGMが(ドクンドックン)赤ちゃんの心音になりました。
陣痛が来るたびに、
激しい痛みに耐えもがき、
陣痛が終わるや否や、激しい眠気に襲われ
、それを何度も何度も繰り返した私は、
もう気が狂いそうでした。
いや、狂ってたかも・・・。
そこに永遠とあのBGM・・・。
止まったり消えたりしたら大変な事ですが、
出来ればもう聞きたくない。
軽くトラウマです。
そんな中、一番嫌だったのが、
内診をしに来る看護師さん。
『内診しますね〜。』
なんてニコ〜ってしながら、
消毒でオレンジ色に染まったビニール手袋はめて、
グーにした拳を何の躊躇もせずにガシィーて突っ込んで来る。
あれは白衣の天使の姿をした悪魔です。
絶対。
それも3回ぐらいやられました。
死ぬかと思うぐらい痛かったです。
その当時は、しょうがない当たり前の事と思っていましたが、
2人目3人目産んだ時、
そんな恐ろしい事されなかったけどな・・・。
内診はしてる筈だけど。
もっと優しかったし痛くなかったもん。
初めてだから痛かったのか・・・。
病院が総合病院だったから?
看護士さんと助産師さんの違いとかなのかな?
謎ですね。
そんなこんなで、
いつの間にかお昼なんてとっくに過ぎていました。
旦那さんも私の介護に疲れたのか、
昼ごはんも食べれず
明らかにげっそりした顔してるし。
途中母が来てくれたのはいいんですが、
まーよく喋る。
陣痛来てようが、疲れて休みたいのに、
あれはどうする、これはどうするって・・・。
『ちょっと黙ってて』
ってお願いしても止まらない。
痛くて返事できなければ聞いてるのかとか何とか言って来る。
も〜我慢にたえず、ハンカチを食い縛りながら
『出てって〜』
って退室してもらいました。
今だに母に
『あんたは、子供産んだ時に私に出てけ〜ってそう言う口聞いたからね。』
って嫌味言われるけど・・・。
たまったもんじゃないですわ。
結局、昼になんて産まれず・・・。
気がつけば窓の外は暗くなっていました。
8時頃になって、先生が
『産ませちゃいましょうか』
みたいな事言いはじめて、
産ませられるなら早く産ませてよ〜。
って思った。
そんな裏技があるのならば、
もう1秒でも早くお願いしますって。
その裏技が促進剤。
促進剤を打ちながら分娩室に通されました。
旦那さんと母と姉が来くれて、
分娩室のカーテンの外で赤ちゃんが産まれて来るのを、
今か今かと待っていてくれてました。
分娩室には当たり前だけど分娩台があって、
脚広げて乗っかって、
指示されるがままに車のハンドブレーキ?
みたいな物を握りました。
そして凄く痛い陣痛(これが本陣痛だったみたい)が始まって、
看護士さんが一緒になってラマーズ法をやってくれました。
『上手ですよ〜ヒッヒッフ〜ヒッヒッフ〜』てね。
『はい!息吸って〜いきんで!!』
って何回か繰り返して、もう下半身の何処が痛いのか分からない。
腰から下が、ハンマーで砕かれているみたいに痛いし、
大事な所は引き裂かれているようだし。
でもそんなことを気にしている場合じゃない。
取り敢えず全身の力を使って踏ん張らなければ赤ちゃんは産まれてこない。
全身全霊で、いきみました。
頭の血管切れるんじゃないかと思うほど。
すると、産まれました。
『オギャー』って、
初めて聞いた我が子の声。
その声を聞いた瞬間、やっと終わったんだ〜この戦い。
って思いましたね。
『産まれましたよ〜。元気な赤ちやん。』
私慌てて聞きました。
『どっちですか?』って。
『元気な男の子ですよ〜。』って言った途端、
カーテンの外で、
『えええええ〜〜〜〜〜〜!!!』って
3人の声が聞こえて来ました。
産んだ後は、やりとげた感で、胸いっぱい。
ランナーズハイみたいな。
宇宙と一体になったみたいな。
フワフワと気持ちの良い感覚に襲われました。
そんな中で先生が
『大きくなる裂けてるし少し多めに縫っておくね』って
下をチクチク縫ってくれました。
初めて見た息子。
何て可愛いの〜。
この世にこんな可愛い生き物がいるの〜。
って思いましたよ。
しかもこの可愛い子を私が産んだの〜??ってね。
ええ親バカなんですけどね。
その後の細かい事は忘れてしまったけど、
次の日から熱が出て、
しかも縫った所が膿んで尚かつ引きつって、
痛くて痛くて歩くことすらままならない。
先生にお願いをして、抜糸の日早めてもらました。
てか縫う時よりも何倍も抜糸する方が痛かった。
今は溶ける糸って言う優れた糸で縫うみたいで、
抜糸の痛さを味あわなくて済むなんて夢のようですね〜。
ま〜痛い思いはしましたけれど、
無事に赤ちゃんが産まれました。
80%女の子の予定の男の子・・・。
めでたしめでたしでした。
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